こんにちはTONELIKOです。
我が家の小学1年生の長女は、ただ今ベネッセの通信講座「チャレンジ1年生」を受講中です。
同級生にも受講している子は大勢いるようですが、おそらく「チャレンジ」シリーズは、日本の小学生向け通信講座の中では最大手でしょう。
で、受講している方はご存知かと思いますが、来年度の「チャレンジ2年生」からタブレット教材「チャレンジタッチ」が登場します。既に夏頃から告知されていたのですが、従来の紙媒体の「チャレンジ2年生」とタブレット教材「チャレンジタッチ2年生」のいずれかを選択することができます。
以前から、漢字書き順マシーン、計算マシーンといったサポート教材や、オプションのDSソフトなどで、教材のデジタル化に積極的だったベネッセですが、今回のようにメイン教材を完全にデジタル化するのは初めての試みではないでしょうか。
教材のデジタル化は時代の流れ
学習教材のデジタル化に関しては、カーンアカデミーのようにアメリカに先進的な事例が多くみられますが、日本でも急速にデジタル化の試みが広がっています。
タブレットを全生徒に配布して授業を行っている学校や、佐賀県武雄市にある小学校のように、自宅でビデオを使って予習を行い基礎的なことを理解した上で、さらに発展的な内容を授業で行うといった学校も出始めています。(via:「反転授業」とは何か? 成績が大幅にアップとの報告も【争点:教育】)
今回のベネッセにおけるタブレット教材への切り替えを促す動きは、このような教材デジタル化への流れに即したものなのでしょう。
チャレンジタッチのメリット
それでは、今回の「チャレンジタッチ」のメリットはどのようなものでしょうか。
紙に書かれた文章とイラストよりも、音声や動きのある映像の方が理解しやすい場合もあります。特に、そのような解説方法の方が圧倒的に頭に入りやすい子どもの場合は、大きなメリットがあるでしょう。
また、親が忙しくて子どもの勉強を見てあげられなくても、双方向通信により、タブレットが子どもの理解に応じて適切な解説をしてくれます。さらに、見守りサポートという機能によって、携帯等で勉強の進捗状況を逐次把握することもできます。
教材は基本的にはタブレットのみですので、すっきりシンプルです。家の中がたくさんのふろくで溢れてしまうこともありません。
ベネッセにとってのメリット
実は「チャレンジタッチ」に切り替えることによって、より大きなメリットを受けるのはベネッセなんじゃないかと思っています。
「チャレンジタッチ2年生」の場合、導入当初はタブレット端末の仕入れやデジタル教材の作成、システム構築などのイニシャルコストがかかります。
しかし、タブレット以外のモノの仕入れがほとんど必要なく、コンテンツは通信により配信されますので教材配送費等がかかりません。したがって、ランニングコストはおそらく紙媒体よりもはるかに少なくて済むはずです。
従来は受講生からの赤ペン答案など紙ベースで書かれたものを、いったんデジタル化してからデータベースに入れる必要がありました。
ところが、「チャレンジタッチ」では、子どもからの入力はデジタルで、通信により瞬時にデータベースに入りますので、各種データ収集や分析をすべてデジタルtoデジタルで行うことができます。
したがって、従来の紙媒体よりも大幅な省力化とコスト削減が見込まれます。現在、「チャレンジ2年生」と「チャレンジタッチ2年生」は同じ価格設定ですが、デジタル化が進めば進むほど、ベネッセには莫大な利益をもたらすはずです。
もちろん、長期的には競合との価格競争により価格下落圧力にさらされるはずですが、ベネッセのこの分野(子ども向け通信教育講座)での強さは圧倒的ですから、当分は価格を維持できるのではないでしょうか。
まだ紙かな?
教材をデジタル化することのメリットは分かりますし、今後の教育の主流となることは避けられないと思いますが、結論から言うと、今回は従来通りの「チャレンジ2年生」を受講させることにしました。
理由は二つあります。小学校低学年のうちは、まだ体感や体験の重要性が高いということと、モチベーション維持の点で不安があることです。
体感・体験をさせたい
タブレットの感圧センサー技術が向上しているとはいえ、やはり実際に鉛筆で字を書く感覚と100%同じというわけにはいかないでしょう。
また、赤ペン先生との手紙を通じた肉筆でのやりとりをとても楽しんでいますので(チャレンジタッチでも年3回あるようですが)、当分はこの楽しみを実感して欲しいんですね。
さらに、「チャレンジタッチ」には基本的にふろくが付いていません。実体験教材もありませんのでトマトなどの植物を育てるといった体験ができないんですね。
まあ、ホームセンターで買ってきて勝手にやればいいだろって突っ込まれたらその通りなんですが、その年代の成長に必要なあらゆる教材が1セットになっているのが、「チャレンジ」の良いところなんで、ここはこだわりどころの一つですね。
モチベーション維持
「楽しく勉強させてやる気を維持させる」仕組み作りに関しては、膨大なノウハウを持つベネッセです。「チャレンジタッチ」でも、どんどん勉強を頑張るとごほうびがもらえてやる気がアップするといった、様々な仕掛けを用意しているようです。
ただ、実際のところ、どこまでその仕掛けが機能するかは、やってみないことには分かりません。
やはり、毎月「チャレンジ」が届いたときの子どものワクワクした表情を見ると、タブレット教材にコンテンツが配信された時にも、はたして同じような表情を見せてくれるのか、やや不安に感じます。
本人も最初はタブレットに惹かれて「チャレンジタッチ」がいいと言っていたのですが、ふろくがないことを知るや「やっぱり今までどおりがいい」とコロッと180度ターンしてました。
また、教材をやり終えた時に、その成果を目に見える重みのある実体として実感できるかどうかは、達成感に大きく影響するでしょう。
7~8歳という年齢から考えても、このような「体験」や「達成感」を感じることはまだまだ必要なことではないでしょうか。
あとがき
というわけで、今回は様子見の意味を含めて、「チャレンジタッチ」への移行は見送りました。
もっともまだベネッセのデジタル教材は始まったばかりですので、いずれは「チャレンジタッチ」もこなれてきて、懸念する点も徐々に解消されていく可能性は高いでしょう。
小学校高学年にもれば、体験の必要性やふろくによるモチベーション維持の有効性も薄れてきますので、そのタイミングで「チャレンジタッチ」へ移行してもよいかもしれません。
追記:実際に体験してみました。
以上TONELIKOでした。
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