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「あなたのためを思って言っているのよ」
「こうした方があなたのためよ」
言うことに従わない子供を説得する時に、世の親がよく使うフレーズですね。私も子供の頃、親からしょっちゅう言われてました。
で、今三人の子供の親になって改めて思うのですが、やはりこの「あなたのため」は、子育てにおけるNGワードです。使っても何もいいことありません。その理由は5つあります。
理由1.子供の意思や判断を奪っている
これは、暗に親の考えや判断を子供に押し付ける行為です。
「あなたのため」と言われ続けた子供は、親の言うことに無条件に従わなくてはならないと考えるようになり、「自分がどうしたいか」よりも「どうすれば親が喜ぶか」を基準に行動するようになります。
すると、自分の頭で考えて判断する能力が育たず、自己主張できない人間になってしまいます。
理由2.失敗から学ぶ機会を奪っている
「愚者は失敗から学び、賢者は歴史から学ぶ」と言いますが、実際のところ私を含めて世の大多数の人間は、痛い目を見ることで、はじめて過ちに気づくことができます。
命に関わるような取り返しのつかない失敗は避けるべきですが、チャレンジによる小さな失敗はできるだけ若いうちから積んでおくべきです。
子供には失敗する権利があります。
また、倒れるのを怖がっておそるおそる自転車に乗ろうとする子より、まったく気にせずに、”倒れては乗り”を何度も繰り返す子の方が、はるかに早く自転車を乗りこなせるようになるものです。
理由3.自分の行動に責任を持てなくなる
「あなたのため」と言われて、その通りに行動して失敗した場合、その子供は自分の責任だと思うでしょうか。
自分で判断して失敗したのなら納得感がありますから素直に責任を認めることができますし、その失敗から何かを学ぶこともできるでしょう。
しかし、「あなたのため」と言われて従ったことに対しては、「自分は親の言う通りにやっただけ。自分が責められるのはおかしい。」そう感じるのも無理ありません。
理由4.将来、親を恨むようになる
子供が親の言う通りに行動することで、一生失敗することなく過ごすことができるなんてありえるでしょうか。
素直で従順な子は、いずれ遭遇する失敗に対してこう思うようになります。「自分は親の言う通りにしてきただけなのに、なんでこんな目に合わなきゃならないんだ?」
そして、「あなたのため」という言葉で自分を思い通りに導いてきた親こそが、失敗の原因であることに気付くのです。
理由5.ウソだから
いかがでしょうか。
「あなたのため」と言って子供に押し付けたことは、長い目で見ても本当に「子供のため」になりますか。
また、そもそも「あなた(子供)のため」ではなく、「あなた(自分)のため」に、子供に対して自分の思い通りに行動することを求めていただけではないでしょうか。
あとがき
このように、言葉ひとつが子供の考え方や精神的成長に大きな影響を与えることがあります。幼い子供にとって、親が精神面に与える影響力は圧倒的です。だからこそ、かける言葉ひとつひとつが、本当に「子供のため」であるよう気をつけたいですね。
以上TONELIKOでした。
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