先週は小1の長女が学級閉鎖でずっと自宅にいましたが、勉強や読書を終えても時間が有り余ってしまい、iPadで遊んでいることが多かったようです。で、使うアプリのほとんどはゲームや動画なのですが、利用時間の半分くらいは例によってYouTubeです。
子どもにYouTubeを自由に使わせるのって、親としてはちょっと抵抗ありますよね。私もそうです。一応フィルタを掛けてはいますが、有害な動画を100%シャットアウトできるわけではないので不安は残ります。本当はYouTubeアプリ自体を削除した方がいいんじゃないかと思ったこともあります。
でも、先日たまたま彼女がYouTubeを使っている所を見て、その考えが一変しました。
検索で自学自習
長女はもうひらがなもカタカナも完璧に使えるようになりました。この時期の小学1年生ですから、まあ普通でしょうね。最近では、やり方も教えていないのにYouTubeの検索窓に好きな言葉を入力して動画を探しています。
で、先日彼女がiPadで遊びながら、「ねえ、これ凄いよ」と教えてくれた動画がこちらです。
彼女は、3月14日公開予定のディズニー映画『アナと雪の女王』をすっかり気に入っているのですが、YouTubeで関連動画を片っ端から見ている内に、ひょんなことから主人公のアナとエルサを描いている動画を見つけたようです。
また、こちらは別の方による、エルサの描き始めから完成までの早送り動画です。
長女はYouTubeの検索機能を使うことで、知らず知らずの内に「絵の描き方」の自学自習(イメージトレーニング)をしていたと考えることもできます。
イメージの影響力の大きさ
動画には文章では表現しきれない、はるかに多くの情報が含まれているため、見るものに対して大きな影響を与えます。
たとえば体操の世界では、毎年のように新しい高度な技が開発され進化し続けています。ですから、20~30年前と今の体操選手では技のレベルが大きく異なりますが、かといって昔の体操選手が今より劣っているわけではありません。
これは、誰かが新しい技をやって見せることで、「体をこう動かせばこんな技ができる」という新しいイメージが、他の選手の頭の中にもインプットされるからでしょう。その瞬間に頭の中の先入観がアップデートされるのだと考えられます。
また、ハンマー投の室伏広治選手は、同じくハンマー投の選手だった父親から高校時代、一流選手のビデオを見るようすすめられたそうです。
著書「超える力」より抜粋。
父からは一流選手のビデオを見なさい。あまりうまくない選手の投げ方は見なくてよいと言われたことがあった。
で、おそらく先ほどの動画を見た長女は、「上手な絵はこうすれば描けるのだ」と、理屈ではなく感覚的に理解できたはずです。もちろん、だからといってすぐに同じような絵が描けるわけではありません。しかし、動画を見る前に比べると、「上手な絵を描く」ことへの心理的なハードルは大きく下がっていると考えられます。
見ないことによる損失
現在、YouTubeでは絵の描き方やスポーツだけでなく、多種多彩なハウツー動画が大量に溢れかえっています。また、YouTubeではユーザーの評価や再生回数のデータが蓄積されることにより、自然とレベルの高い動画を目にする機会が多くなります。
すると、YouTubeを小さな頃から見ている子どもはそうでない子どもと比べて、「できること」のイメージ(先入観)が次々と蓄積されることになります。この蓄積によって、両者にはいずれ大きな能力差が生まれる可能性があります。
YouTubeには、たしかに有害な動画を目にしたり、娯楽ばかり見て子どもがテレビ中毒のようになるリスクもあります。しかし、これだけ世界中の子どもたちが気軽にYouTubeにアクセスできる状況では、リスク以上にむしろ「見ないことによる損失」の方がはるかに脅威と言えます。
YouTubeに視聴制限をかける方法
とはいえ、やはりYouTubeを無制限に見させることには私も反対です。ここではリスクをコントロールする方法をいくつか紹介します。
セーフサーチフィルタ
YouTubeアプリの設定(歯車マーク)をタップして、セーフサーチフィルタを「強」に設定しておきます。100% 正確なフィルタリングは実現していませんが、やらないよりはやっておいた方がよいでしょう。
テベリ
iPadからYouTubeアプリを削除して、テベリ – お子様向けのシンプルな動画検索アプリ for YouTubeを入れておくという方法もあります。画面下に広告表示が出てきますが、「設定 > 購入 > 広告を削除」から85円で広告を非表示にできます。
利用は親の見ている前で
有害な動画を見ていたらすぐに分かるよう、iPadの利用は親の見ている前でのみOKと家庭のルールを決めておきます。iPadにパスコードロックをかけて、親がパスコードを入力しないと使えないようにしておけば万全ですね。「設定 > 一般 >パスコードロック」から設定しておきましょう。
時間制限
動画の内容は健全なものでも、あまり長時間の見過ぎは健全とは言えませんね。これも「1日1時間まで」といったふうに家庭内でルールを設けておきましょう。
あとがき
子どもに有害な情報が含まれている可能性があるからと言って、すべてをシャットアウトしてしまうと、かえって子どもの成長や自学自習の意欲を阻害してしまう可能性もあります。
リスクをゼロにするのではなく、適度な制限によってリスクコントロールをした上で、できるだけ子どもの自由に任せるといったアプローチの方が建設的ですね。
以上TONELIKOでした。
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