photo credit: torbakhopper via photopin cc
こんにちは、コストコのお菓子を食べながら、家族で映画鑑賞するのが大好きなTONELIKOです。
先日、面白い映画を観ました。原題『CROODS』、日本での題名は『クルードさんちのはじめての冒険』です。内容もよく知らずに、たまたま妻が借りたDVDだったのですが、子どもには大好評で、大人にとっても十分に楽しめましたよ。
ググってみると、世界30カ国で初登場第1位! 全米10週連続TOP10入りのメガヒット! ・・・だったそうなのですが、まったくの初耳です。おそらく、日本の映画館では大っぴらに公開されなかったのではないでしょうか。
制作は、『マダガスカル』や『シュレック』を生み出したドリームワークスです。例によって3DCGアニメですが、同じく3DCGアニメのヒットメーカーであるディズニー・ピクサーとは一味違った独特の作風は、やや視聴者を選ぶところがあるかもしれません。
ヒロインは洞穴の原始人
こちら、おなじみディズニーの3DCGヒロイン「ラプンツェル」。塔の上に閉じ込められていましたが、もちろん原始人じゃありません。
んで、こっちが今回の映画『クルードさんちのはじめての冒険』のヒロイン「イープ」。洞窟で暮らす原始人です。見た目からして強烈です。
いや、別に悪意はありませんよ。ただですね、日本の映画館では大々的に公開されなかったわけが、なんとなく分かるような気はします。
ところが、我が家の長女RIBONは大のディズニープリンセス好きで、もちろんラプンツェルの大ファンなわけですが、この『クルードさんちのはじめての冒険』を観せたら、めちゃくちゃ楽しんでいたんですよね。
もちろん、ディズニープリンセスに対するような憧れとかではなかったはずですが(憧れられても親としては困りますが)、子どもは順応性があるんでしょうね。独特の世界を、それはそれとして存分に面白がっていましたよ。
おそらく、同じドリームワークスの『シュレック』が楽しめるのであれば、まったく問題ないはずです。話のテンポが速くて飽きさせず、ところどころに分かりやすいギャグが散りばめられているので、3歳位の幼児からでも十分に楽しめるエンターテイメントに仕上がっています。
あらすじ(ネタバレなし)
遠い昔、洞窟で暮らす原始人クルード一家は、父グラグの「外の世界に出てはいけない」という家訓を守って暮らしていました。ところが、激しい大陸移動の影響で天変地異が起こり洞窟は破壊され、今までのルールが通用しなくなったのです。
否応なく新たな外の世界へ飛び出すのですが、そんな中、火を操り、頭を使ってサバイバルするガイと出会います。喧嘩しながらも協力しつつ、冒険の旅を続けるガイとクルード一家の様子を、ユーモラスに描いています。
成功体験の罠(ややネタバレあり)
とまあ、ここまでは子どもが無邪気に楽しめる映画ですよ!というお話なんですが、大人が観ると、実は、このクルード一家が直面している危機は、人事じゃないとも思えるんですよね。
とりわけ観ていてつらくなるのが、父グラグです。
物語の冒頭、まだ環境変化が起こる前は、父グラグの家族からの信頼は絶大でした。娘イープからの反発はあったものの、グラグが「外の世界に出てはいけない」という家訓を厳格に守らせていたからこそ、家族全員が今まで生き残ってこられたわけです。
ところが、洞窟が壊れ、新しい環境に飛び込まざるを得なくなると、グラグは途端に役立たずになってしまい、家族からの信頼を失ってしまいます。
過去のルールや、今までのような腕力に頼った行動は、新しい世界では通用しません。代わりに、知恵に優れたガイの方が環境に適応しているため、クルード一家からの信頼を獲得していきます。
グラグは、そんなガイに嫉妬し、ことごとく足を引っ張る行動を取るようになります。これは、まさに現代で言う「老害」そのものですね。
なぜ、尊敬され信頼される父であったはずのグラグが、老害に転落してしまったのか・・・。彼自身は何も変わっていません。すべては環境が一変してしまい、それまでのルールが通用しなくなったからです。
先程も言いましたが、これって、現代の大人にとっても、まったく人事じゃないんですよね。いえ、むしろ現代の方が変化のスピードが速い分、より深刻かもしれません。原始時代なら何百年かは通用したかもしれないルールも、変化のスピードが激しい現代では、わずか数年で通用しなくなってしまいます。
過去の成功体験や古い価値観に囚われていると、グラグのように、あっという間にガイのような若手に活躍の場を奪われてしまうでしょう。
また、親は子どもと接する際にも注意が必要です。
特に子どもの率直な主張を、親の固定観念で簡単に切って捨ててしまうのは危険です。たいていの場合、大人よりも子どものほうが時代の空気を感じ取るレーダーが敏感ですので、実は子どもの直感の方が正しかったなんてことも十分にありえるでしょう。 (via:言うこと聞くのは15まで)
もちろん、子どもの言うことを真に受けるのも危険ですが、親としては、常に自分の考えを疑ってみる姿勢を持つべきですね。
あとがき
このように、大人は自分の身になって考えてみてもいいですし、子どものように、ただ無邪気に楽しむのもよいでしょう。立場や年齢によって、多様な楽しみ方ができます。
以前、「子どもと一緒に大人も楽しめた家族向け映画11選[洋画アニメ編]」という記事をアップしましたが、『クルードさんちのはじめての冒険』も、幼児から大人まで、家族みんなで楽しめる映画ですね。
以上TONELIKOでした。
コメント