自分を取り巻く環境と生まれ持った才能、この2つが人生を大きく左右する。
TONELIKOも、そう思っていた時期がありました。
ところが、同じような境遇にあっても、幸福そうに見える人もいれば、絶望の淵に沈み込んでいるように見える人もいます。あるいは、同じくらいの才能を持っていても、素晴らしいパフォーマンスや大きな実績を残す人もいる一方、まったく振るわない人もいます。
この違いはいったいどこからくるのでしょう。
環境と才能は、自分から変えることの難しい現実ですが、その現実をどう捉えるかという心の状態は、百人いれば百通りあります。
実は、心のありようこそが幸福感やパフォーマンスを大きく左右するかもしれません。
ポジティブインテリジェンスの評価・判定サイト
『スタンフォード大学の超人気講座 実力を100%発揮する方法―――ポジティブ心理学が教えるこころのトレーニング』の著者シャザド・チャミン氏は、世界最大のコーチング組織CTIの前CEOで、数百人のCEOと上級管理職にコーチングを行ってきた人物です。
Amazonの内容紹介より抜粋
本来の能力をフルに発揮できないのは、心の中に「妨害者」がいて、あなたの足を引っ張っているから。心はあなたの敵にもなり、最大の味方にもなる。心がどれほど自分の味方として働いているかを示す「ポジティブ・インテリジェンス」を知れば、人生は劇的に変わる!
これだけ読むと、よくある自己啓発書のようですが、実は本書には自分の現在の心のありようを客観的に判定し、確認することができるサイトがあります。
心の前向き度を測るPQ評価と、心の中の「妨害者」のタイプ判定が無料でできるサイト「ポジティブ・インテリジェンス」です。
私も実際に判定を受けてみましたが、その結果には大いにショックを受けると共に、やって良かった!と心から思いました。
若い頃は、自分の態度や精神的な面に、注意やアドバイスをしてくれる目上の人間は大勢いますが、30代、40代と年齢を重ねるほどに、そのような他人はどんどんいなくなっていきます。
そうすると、心の中にネガティブな影響を与えている原因があるにも関わらず、本人は一向にその存在に気がつくことができません。結果として、何も根本的な解決がされないので、いつまでたっても毎回同じ失敗を繰り返すことになってしまいます。
そのような失敗を繰り返さないためにも、自分の心の内に潜む敵の姿を知ることには大きな意味があります。
PQ評価
心の前向き度を測るPQ評価を受けるには、「POSITIVE INTELLIGENCE」サイト内の「Assesments」にアクセスし、「PQ Assessment」ロゴか「Take the PQ Assessment」ボタンをクリックします。
すると、日本語のアンケートが表示されます。アンケートは全3ページ、所要時間は約2分です。
1ページ目では、ファーストネーム、名字、Eメールを入力します。
2~3ページには、過去24時間以内における率直な感情を問う質問が24用意されていて、5つの選択肢(まったくない、少しある、中くらい、かなりある、非常によくある)の中から1つを選びます。
アンケート終了後、8ページに渡る日本語のPQ評価レポートが表示されます。レポートはWEBブラウザ上で印刷することもできますし、PDFファイルとして保存もできます。また、最初に入力したEメールアドレス宛にも送られます。
ちなみに、私のPQスコアは100点満点中52点でした。
つまり、私の心は、52%の割合で私の味方(賢者モード)として働き、残りの48%は私を妨害している(妨害者モード)ということです。
上図の通りPQ分岐点は75です。分岐点の75を下回ると、個人もチームも必ずネガティブの渦の目に、見えない力で引っ張られます。一方、PQが75を超えると、個人やチームはポジティブの渦によって上昇の波に乗ります。
たとえば、私のポジティブ・インテリジェンスは中程度の平均レベルですが、完全にPQのネガティブの渦の中にいます。つまり、私は求める人生を作ろうとするより、心のなかの妨害者との戦いに、多くの活力や資質を費やしていることになります。
う~ん、自分ではポジティブな心の持ち主だと思っていたんですけどね。どうやら客観的な判定では、決してそうではなかったようです。ただ、アメリカ人はポジティブ指数が高かったり、日本人は比較的低めになり易いといった、国民性による傾向もありそうな気がします。
でも、この結果を”ポジティブ”に捉えれば、ネガティブな妨害者モードが48%もあるのですから、まだまだ改善の余地が十分に残されているとも言えます。
これをポジティブな賢者モードに転換することができれば、パフォーマンスや幸福感を、今よりはるかに向上させることができるはずです。
「妨害者」のタイプ判定
「POSITIVE INTELLIGENCE」サイト内の「Assesments」には、もう一つ、「サボター(心の中の妨害者)判定」テストがあります。テストを受けるには、「SABOTEUR Assessment」ロゴか「Take the Saboteur Assessment」ボタンをクリックします。
このテストでは、自分の幸福感やパフォーマンスを妨害する心の中のネガティブな要素(妨害者)を、より具体的な姿で発見することができます。アンケートは全9ページ、所要時間は約5分です。
全45問に書かれたような状況が、どれくらい自分に当てはまるか?当てはまる度合いを、「まったく同意しない」から「強く同意する」までの5段階の中から1つ選択します。
アンケートが終了後に表示されるレポートは、なんと19ページの長さ。PQ評価レポートと同様に、WEBブラウザで印刷やPDFダウンロードもでき、メールにも送られてきます。
サボター(心の中の妨害者)判定レポートによると、妨害者は全部で10人います。妨害者のボスは裁判官で、私達は誰しもある程度、裁判官に苦しめられています。そして、裁判官は常に少なくとも一人か二人の共謀する妨害者と組んで、私達の邪魔をしてきます。
共謀する妨害者には、潔癖症、八方美人、こだわり、移り気、仕切り屋、優柔不断、優等生、犠牲者、理屈屋の9人がいます。
今回の判定テスト結果レポートで、主たる共謀者がだれか分かりました。私の場合、仕切り屋と移り気だったようです。
う~ん、移り気はともかく、仕切り屋は、ちょっと意外でしたね。自分自身ではまったく自覚がありません。ところが、レポートの解説を読んで納得しました。
仕切り屋の説明は以下の通りです。
そもそもは不安から、状況をコントロールしようとしたり、他人を自分の思い通りに動かそうとしたりする。 そして思い通りにいかないといっそう不安になり、苛立つ。
これは子どもに対する態度に当てはまるかもしれません。自分では、「思い通りにコントロールしようとしてはいけない、自主性を尊重しなければ」と思いつつも、振り返ってみると、実際にはそうではなかったような気がします。
さらに説明を読み進むと以下のように書かれています。
仕切り屋が見せる虚勢の陰には、他者に人生を支配されてしまうことへの恐怖が隠されていることが多い。
これはもうピッタリ当てはまります。
過去記事「もうすぐ七夕。子どもの頃の願い事は「普通になりたい」だった。」でも触れましたが、子どもの頃、精神的に多くの部分を親に支配されて過ごしてきましたので、その反動で「他者に人生を支配されてしまうこと」への恐れは、人一倍強くなってしまいました。
ところが、自分自身もそのような精神的支配を子どもに対して行っていたようです。自分では気をつけてきたつもりだったんですけどね。
でも、このテストで気づくことができて良かったです。
裁判官は(1)私たち自身、(2)他人、(3)状況に対して粗探しを行い、私たちを落ち込ませ、不幸にし、その驚くべき破壊工作を完成させます。
この円グラフは、裁判官が3つのモードにおいて相対的にどのくらい強いかを示しています。 すなわち、自分を裁くこと、他人を裁くこと、状況のせいにすることのそれぞれに、どのくらい裁判官のエネルギーが注がれているのかを表しています。
私の場合は、ご覧のとおり自己批判性がもっとも高いようです。ある意味、典型的な日本人タイプなんでしょうか。
『スタンフォード大学の超人気講座 実力を100%発揮する方法』
判定結果には、正直ショックを受けたところもありましたが、結果的には、自分の心のありようを客観的に見ることができ、多くの発見を得ることができました。
「ポジティブ・インテリジェンス」判定サイトは、自分を客観的に知る上で誰にでも有益ですが、特におすすめしたいのは人の上にたつような立場の方ですね。
会社であれば管理職以上、家庭であれば子どもを持つ親といった、立場が誰かより上に位置するような人ほど、判定結果から学ぶところは大きいのではないでしょうか。
なお、シャザド・チャミン氏の著書『スタンフォード大学の超人気講座 実力を100%発揮する方法―――ポジティブ心理学が教えるこころのトレーニング』では、「ポジティブ・インテリジェンス」の改善に関して、さらに詳しく解説されています。
以上TONELIKOでした。
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