小学1年生のお子さんをお持ちの方で、子どもが算数が苦手で困っている方って多いんですね。
そういえば、長女RIBONのお友達のお母さんから、「うちの子、算数が苦手でどうしても分からないみたい。どこかいい塾はありませんか?」
そんな質問を、先日の運動会の時に投げかけられたことがありました。
ところで、RIBONは家庭学習に「チャレンジ1年生」を使っています。全国の小学1年生の3.1人に1人は受講しているというベネッセの有名な通信教育講座ですね。
子どものやる気を刺激する、よく考えぬかれた教材だと思います。ところどころに楽しく勉強できる仕組みが施されていて、人気が高いのもうなずけます。
RIBONもほぼ毎日学習していますが、たまたま10月号が早く終わってしまったので、11月号が届くまでのつなぎとして、ある市販のドリルを薦めてみました。
ところが、これが見事に当たりました!一度問題を解き始めたら、楽しくて止まらなくなってしまったのか、次から次へとページを進めていきます。ついには初日だけで11問(22ページ)も解いてしまいました。全体のほぼ3分の1の分量です。
「チャレンジ1年生」でもここまでハマることはありませんでした。
賢くなるパズル
そのドリルとは「宮本算数教室の教材 賢くなるパズル―入門編」です。
1ページに1問のドリル形式で、中身は初級11問、中級11問、上級12問と3段階あります。薄い本ですが中身はすべて算数パズルです。
では、具体的にどんなパズルなのでしょうか?さすがに中身の画像を上げるのは著作権的に問題ありそうですので、公式サイトのお試し版URLを紹介します。
賢くなるパズルお試し版
http://miyamoto-puzzle.com/trial/
※Flashを利用しているため「Puffin Web Browser」などの対応アプリを使わないと、iPhoneやiPadでは利用できません。
上記サイトにてお試し問題にチャレンジできます。1問目は簡単ですが、4~5問目位になると大人でもかなり手こずる難問です。でも、悪戦苦闘しながらも正解にたどり着けると、達成感が味わえて気持ちいいですよ。是非チャレンジしてみてください。
賢くなるパズルシリーズは、現在のところ20冊以上発行されていて、学年や難易度ごとに分かれています。小学1年生の場合は、「入門」や「基礎」もしくは「初級」と書かれているものを選ぶとよいでしょう。
「宮本算数教室の教材 賢くなるパズル―入門編」にもこのように記されています。
入門編は、これから小学校へ入学するお子さんや、算数に苦手意識を持つお子さんに向けて作りました。
算数パズルの取り組み方
「賢くなるパズル」の表紙には、著者である宮本哲也氏からこのようなメッセージが記されています。
お子さんの目の届くところにさりげなく置いてみてください。親が焦らなければ、お子さんは自然に賢くなるはずです。
子どもって基本的にゲーム好きですよね。勉強は「言われなくてもやる子」は限られていますが、ゲームの場合、ほとんどの子どもは自分から進んでやり始めます。それどころか、もう止めなさいと言っても止められない子も多いですよね。
「賢くなるパズル」はゲーム感覚で楽しめる算数の問題です。一度やり始めるとハマってしまい、次々とやり進めてしまうゲームのような中毒性があります。
とはいえ、子どもによっては他に夢中になることがあったりして、なかなかやり始めるきっかけが掴めないこともあるかと思います。
子どもが自発的に取り組み始めることが理想的ですが、実際にはそうもいかないこともありますので、我が家の場合、下記のようなルールで「賢くなるパズル」に取り組むよう促しています。
- 答えのページはあらかじめ切り離して親が保管しておく
- 1日最低1問を解けばOK
- 解けなくても間違えても10分以上真剣に考えればOK
- 親が教えてはダメ!一切のヒントも禁止
- ただし問題の意味は教えても可
- 解けなかったら、いったんあきらめて次の問題に挑戦してもOK
- あきらめた問題は、また別の日に再挑戦する
- 各級の終わりの級位認定証は盛大に表彰する
子どもの性格や算数に対する理解度に応じて、取り組み方やルールは臨機応変にアレンジして頂ければと思います。
ゲーム感覚で楽しみながら「算数パズル」に取り組むことで、算数の楽しさを理解できるのみならず、計算力や論理的思考力、集中力を養うことができます。さらに、問題にとことん取り組むことで、精神的な粘り強さも身につくでしょう。
また、時には親も子どもと一緒に、算数パズルに取り組んでみてはいかがでしょうか?是非、親子で算数パズルを通じたコミュニケーションを楽しんでください。
宮本算数教室とは?
宮本算数教室とは、もともと中学受験の塾講師であった宮本哲也氏が開いた算数専門教室です。「教えない」ことをモットーに小学3年生から6年生までを指導し、最終在籍者のほとんどが首都圏の最難関中学校に進学するそうです。
小学4年生以降は中学受験を見据えた算数の問題演習を行いますが、3年生では1年間ひたすら算数パズルの問題を解きます。すると、4年生以降の実力の伸びがたいへん大きくなるとのことです。
算数パズルは、学校の成績や中学受験に対して即効性はないかもしれませんが、論理的な考え方や忍耐力といった、将来飛躍するための土台となる底力を養う効果があります。
ここで重視していることは、何も考えず、解き方のマニュアル通りに問題を解くことや、ただ単に計算スピードを上げることではなく、試行錯誤しながら自分の頭でとことんまで考えぬく力を育成することです。
宮本哲也氏の強育観
『強育論-The art of teaching without teaching-』は、中学受験講師の経験を通して培われた、宮本哲也氏独特の教育論です。
生徒には算数を教えず「自分の頭で考えろ」と突き放す姿勢は、一見すると冷酷なように思えますが、本書を読むと、子どもの可能性を信じ「生きる力」を引き出すためのものであることが分かります。
その教育観は、人によってはやや過激で極端に感じられる点もあるかもしれませんが、私は個人的に共感するところが多かったですね。勉強になった点や気づきを得られた点も多々ありました。
書かれていることすべてを鵜呑みにするのではなく、これも一つの考え方として自分の思考回路に刺激を与えたい方には是非オススメします。
余談ですが、教育論に関しては絶対に1冊だけを読むことはやめた方がよいと思います。1冊だけ読むくらいならまったく読まないほうがマシです。
なかには科学的アプローチによって書かれた本もありますが、教育論の多くは著者の個人的な経験に基づく主観的なものが多いので、どうしても内容が偏ったものになりがちです。できるだけ多くの著者の本を読んで色々な考え方に触れた方がよいですね。
あとがき
「好きこそものの上手なれ」とは、昔の人はうまいことを言ったものですね。
小学校や塾の授業でやらされているような計算問題の場合、子どもによっては無味乾燥な機械的作業に感じられてしまい、なかなかやる気が湧かないこともあるかもしれません。
私のような大人でも、普通の計算問題と算数パズルの2つが目の前に用意されて、「どっちかやりたい方を選んで」って言われたら、たぶん十中八九パズルを選ぶと思います。子どもだって同じですよね。
算数が苦手な子にはまず算数を好きになってもらうことが、遠回りのようで長い目で見れば最も効率的な克服方法です。
なお、「賢くなるパズル」にはドリル以外にも、DSソフトやiPhoneアプリもあります。また、Number Link Free – Logic Path and Flow Board Gameのような、まったく関係ない製作者による、ほぼ同じようなパズルアプリもありますので、このようなアプリを子どもがよく使うiPadなどに入れておいてもよいでしょう。
以上TONELIKOでした。
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