もし子どもがリレー選手になりたいとか徒競走で一等賞を取りたいと思うのなら、運動会が10月の場合、そろそろ準備を始める時期ですね。
最近では、かけっこ専門の家庭教師というのもあるらしく、元陸上競技の選手が子どもにマンツーマンで指導するといった有料サービスもあるようです。
TONELIKOは陸上選手ではありませんでしたが、ラグビーをやっていたこともあり、理想的な走り方をビデオや本で調べたり、自分自身の身体で試してみたりと、独自に研究していた時期がありました。
その研究で得たノウハウを活かして、長男のMAGが小学生の頃は、毎年運動会の3ヶ月前からかけっこの早朝トレーニングを親子でやっていたものです。その成果もあってか、彼は小学生時代を通して6年連続でリレー選手に選ばれました。
さすがにMAGはもう中学生ですので私から指導することはありませんが、今年からは長女のRIBONが小学1年生になりました。RIBONも「足が速くなりたい」と言うので、つい先日、第一回のかけっこトレーニングを行ったところです。
そこで今回は、かけっこのトレーニングを考える際に、参考にした書籍を4冊紹介したいと思います。
『子どもの足が2時間で速くなる! 魔法のポン・ピュン・ラン♪』
女子走り幅跳びの井村(旧姓:池田)久美子、女子400メートルの丹野麻美ら、多くの日本記録ホルダーと世界陸上出場選手を育て上げた日本陸上界の名匠・川本和久監督が、かけっこを通じて子どもの心身を伸びやかに育成することを唱えています。
本書で紹介されている具体的なトレーニング方法は、走りの難解な理論を前面に出すことなく、素人の保護者にも実践できるような内容になっていて親切ですね。
とりわけ「ポン・ピュン・ラン」という掛け声は、子どもにも受け入れやすく、自然と理に適った走り方を身につけられる、優れたメソッドと言えるでしょう。また、子どもの走りのフォームでチェックすべき項目も一覧になっていて分かりやすいです。
本書では「運動好きな子」に変える3つのコツとして、「褒めること」「興味をもたせること」「外に連れ出すこと」を挙げています。技術的なことの前に、まずは子ども自身が、外で身体を動かすことを楽しめるようになることが大切だということですね。
さすがに指導経験が豊富な方が書かれた本だけあって、練習の際に子どもをやる気にさせる声掛けのコツや、運動会当日の子どものメンタル面をケアする方法などは、非常に実践的で納得させられる点が多いです。
『朝原宣治のだれでも足が速くなる』
100m走10秒02アジア歴代2位の朝原宣治氏が、子ども向けにかけっこの極意8条を伝授する本です。
速く走るための基本中の基本は、この本にすべて詰まっているといっても過言ではないでしょう。おそらく、ちょっと短距離走をかじったことのある人なら当たり前のことばかりだと思いますが、素人や子どもには目からうろこの知識なのではないでしょうか。
豊富な写真と平易な文章で、誰にでも分かりやすく解説されていますので、まずはこの本で、走り方の基本理論を子どもと一緒に学ぶことをオススメします。
『最強ランナーの法則』
100m走のアジア記録(10秒00)保持者である伊東浩司氏と、10000m元日本代表の鈴木博美氏の共著です。短距離と長距離に共通する走りの基本と、スプリンターの走り、マラソンランナーの走りの3章で構成されています。
陸上競技者を対象とした中~上級者向けと言えるでしょう。子どものかけっこを対象とした文章ではありませんので、そのままでは、子どもには理解が難しいと思われます。保護者の方が、必要に応じて噛み砕いた言葉で子どもに教えてあげると良いでしょう。
特に、走りを極めるために重要な「正しい姿勢」と「正しい歩き」は、重要かつ基本的な知識としてしっかりと子どもに伝えるべきだと思います。
なお、amazonで検索したら伊東 浩司氏が小中学生を対象にしたかけっこ本を出していました。私は未読ですが、子どもと一緒に読むなら、こちらの方が向いているかもしれません。
『為末大 走りの極意』
侍ハードラーこと男子400mハードル日本記録保持者の為末大氏が、その陸上競技経験の中から会得した独自の走りの技術と、それまでの競技キャリアを通じての挫折と苦悩を語っています。
走りの技術論やトレーニング方法は独特なものがありますので、ある程度走りの基本を理解した上で2冊目3冊目くらいに読むと良いでしょう。それでも「片脚で前進」「スキップして重心を乗せる」など、いくつかのドリルは子どもにもそのまま実施できるものもあります。
なお、為末大氏も子ども向けのかけっこ本を出しているようです。
かけっこ本の利用方法
これらの書籍に書かれていることをそのままトレーニングするのではなく、まず理想の走り方とはどういったものかを理解することが大切です。
その上で、最初に子どもを自由に走らせてみて、よく観察してみてください。現状を正確に把握することで、子どもの走り方と理想の走り方とのギャップを見つけましょう。次にそのギャップを埋めて、理想の走り方に近づけるためにはどんなトレーニングをすればよいのか考えます。
上記書籍にはいくつものトレーニングメニューが紹介されています。子どもでも、すぐに実践できるものもあれば、なかには本格的なアスリート向けで子どもには難しいものもあります。そのようなメニューは、やり方をちょっとアレンジすることで、子どもが楽しく実践できるようなドリルにすると良いでしょう。
以上TONELIKOでした。
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