MAGのジュニアユース・サッカーもいよいよ2年目に突入です。最初の1年間はアッという間でしたね。
わずか1年ですがいろいろなことがありましたね。何度かダレたり、腐りそうになったりしたこともありましたが、途中でクラブチームを辞めることもなく、今でも楽しくサッカーをやっているようで何よりです。
今年の春から中学生になるサッカー少年は、3月に入り、いよいよジュニアユース・サッカーも本格的に始動する頃ですね。ジュニアユースでの活躍を夢見て胸踊らせている子もいれば、新しいチームでやっていけるかなと不安になっている子もいることでしょう。
ジュニアユース(中学年代)ではジュニア(小学年代)とは様々な面で異なる環境になりますので、戸惑う子どもも多いと思います。
実のところ、ジュニアユースでは、せっかくセレクションに合格して入ったのに、途中でクラブチームを辞めてしまう子も珍しくありません。クラブチームを辞めて学校の部活に移る子や、場合によってはサッカーそのものを辞めてしまう子もいます。
考え方は人それぞれですし、それも一つの選択ですから必ずしも否定するものではないと思います。でも、せっかく自分から入りたいと希望して入ったチームなのですから、できれば中学3年間を最初のチームで楽しくサッカーを続けられれば理想的ですよね。
学業に専念したいとか、チームの方針が合わないとか、人間関係でトラブルがあったとか、クラブチームを辞めてしまう理由は様々ですが、大きな理由の一つに、ジュニアユースへの準備不足があります。
そこで、この機会に1年前ジュニアユース始動前にやったこと、もしくはやるべきだったことを思い返して6項目にまとめたいと思います。
これからジュニアユースに活躍の舞台を移す子どもたちやその保護者の皆さんが、ジュニアからジュニアユースへスムーズに移行できるよう、少しばかりでもお役に立てれば幸いです。
1.5号球に慣れる
ボールの大きさが、ジュニア時代に使っていた4号球から5号球に変わります。5号球はプロも使っている大きさです。
子どもは順応性が高いのですぐに慣れますが、できればジュニアユースが始まる前に、リフティング、コーンドリブル、パス、シュート、ミニゲームなどで感覚を掴んでおいた方がよいでしょう。
2.走りこみでスタミナをつける
ジュニアユース(中学生/第3種)になると、フィールドの大きさが大人(第1種・第2種)と同じになります。ジュニア(小学生/第4種)の一般的なフィールドサイズは80×50mですが、ジュニアユースになると一気に105×68mまで広がります。※サッカー場により大きさは異なります。
また、試合時間が20分ハーフから35分ハーフになります。
走る量も時間も段違いに増えますので、対応できるようになるまで2~3ヶ月かかる子もいます。ジュニアユースの公式戦が始まる前に、十分に走りこみをして備えておいた方がいいでしょう。
3.体幹トレーニング
ジュニアユースクラブの選手は、ほとんどセレクションやスカウトにより厳選されて入ってきますので、ジュニア時代はチームの中心的選手だった子が多いです。当然、身体能力レベルも全般的に高いと言っていいでしょう。
また、第二次性徴の時期には個人差がありますので、中学年代は同い年なのに大人のような体格をした子もいれば、まだ小学生のような小柄な子も混在しています。ジュニア時代、テクニックに自信のあった子でも、この体格差、身体能力差で本来の能力を発揮しきれないケースが多く見受けられます。
実力の世界ですので仕方ない面もありますが、この環境に対応するためにも、出来る範囲で身体能力レベルを上げておいた方がよいでしょう。
インテル長友選手の指導者として有名な木場克己氏の本がオススメです。
DVD付きでフォームも確認できるのがいいですね。
トレーニングメニューによっては、別売りのチューブも必要になります。こちらも同時に揃えておいた方がよいでしょう。チューブ強度が強・中・弱の3種類ありますが、中学1年生には中(スタンダード)が適しています。
なお、ダンベルなどの器具を使ったトレーニングはこの時期は必要ありません。諸説ありますが、成長期にそのような過重な負担をかけるトレーニングは、成長を抑制するとも言われています。また、サッカーに不要な筋肉を付けて、かえって試合でのパフォーマンスが落ちる恐れもあります。
成長期の筋トレに関して精通したトレーナーに指導してもらえるなら別ですが、基本的には体幹トレーニングのような自重を使ったトレーニングに限定した方がよいでしょう。
(via:なぜ長友佑都は体幹を鍛えることで名門インテルで活躍できたのか?)
4.高校サッカーの情報収集
多くのジュニアユースのクラブチームでは、2年生の3月頃からサッカー強豪高校との練習試合が行われ、所属チームの選手の売り込み(アピール活動)が始まります。今、小学6年生の子どもにとっては、たった2年後のことです。
ジュニアユース時代はジュニア時代と同じ感覚でいると、あっという間です。
今から高校サッカーを視野に入れて、ジュニアユースでの活動に取り組むべきでしょう。ホームページやブログを公開している高校サッカー部も多いので、ネットで検索して高校サッカーの情報に触れておくことをおすすめします。
◆高校サッカーのオススメ情報サイトはこちら
◆高校サッカーに関連する書籍
(via:高校サッカーをより理解し楽しめるおススメの4冊をピックアップ!)
5.具体的にイメージさせる
プロサッカー選手を目指すとはどういうことかを、子どもが具体的にイメージできているか否かは、ジュニアユースでの活動の成否を握る重要なファクターです。
とにかく練習と試合を一生懸命に頑張っていれば、なんとかなるんじゃないかと漠然と考えている子どもがいるとします。一方では、目標とそこにいたるまでの道筋を鮮明にイメージできた上で、今やるべきことを常に考えながら課題に取り組んでいる子どもがいるとします。
中学3年間での成長度合いがより大きい子はどちらの方か、言うまでもありませんよね。
具体的にイメージするには、何よりも実例を知ることが一番です。
目標とすべきプロサッカー選手が、中学生・高校生の頃、どのような軌跡を歩んできたかを辿ってみることは、これからプロを目指すサッカー少年にとって、よい道標となるでしょう。
是非、サッカー少年に読んでもらいたいオススメの書籍を紹介します。
本田圭佑、長友佑都ら日本代表選手12人の少年時代からのエピソードが満載です。子どもの頃から順分満帆のエリート街道を突き進んできたような選手はほとんどおらず、皆悩み苦しみ、挫折を味わいながら、トップアスリートへと成長していったことが分かります。
これから厳しいジュニアユースの世界へ進もうとする子どもには、励みになる本ですね。
少年サッカーの専門誌らしく各種データを駆使して、現役プロ選手の小学生から大学生時代までの経歴を探り、多様なプロへのルートを紹介しています。
また、香川真司、本田圭佑、長友佑都ら日本代表の中学・高校時代のエピソードも紹介されており、いずれも中学生時代は突出したサッカー選手ではなく、類まれなる努力で現在の地位を自ら築き上げたことが分かります。
高校・中学など強豪サッカー部取材を数多くこなす著者が、プロを目指してスタートした高校生の成長を鮮やかに描いた青春サッカーストーリー。フィクションですが、ストーリーを楽しみながら、サッカーに対する考え方、取り組み姿勢など、様々な面で刺激を受けることでしょう。
6.覚悟を決める
キングカズは15歳でブラジルに留学し、10代のうちにプロデビュー。
ディエゴ・マラドーナは15歳11ヶ月でプロデビュー。
サッカーの王様ペレは、15歳11ヶ月でプロデビュー。16歳9ヶ月でブラジル代表。
森本貴幸は15歳10ヶ月でトップチーム公式戦デビュー。
サッカーの世界では、15歳は既にプロになっていてもおかしくない年齢なのです。
今、小学6年生でも、あとたったの3年しかありません。
サッカー選手は自分の身体だけが商品です。
アマチュアプレイヤーには1円の値段もつきませんが、世界のトップクラスになると何十億の値段がつく、冷徹な市場原理が働く世界です。プロになるということはお金を出してでも「チームに入って欲しい」と思わせる位、価値あるプレイヤーになるということでしょう。
ジュニアユースのクラブチームは、自分の商品価値を高めるための場だと思ってください。
そして同時に、商品としての自分をアピールする場でもあります。
もちろん、公式戦だけでなく普段の練習もアピールの場です。
公式戦や練習を通して、チームの中で高い評価を得ればチャンスが広がります。スタメンとして試合に使ってもらえる機会が増え、素晴らしいプレーを見せることができれば、強豪高校やJクラブから勧誘が来ることもあるでしょう。
チームのコーチがコネクションを持っていれば、強豪高校や有力なユースのクラブへ推薦してもらえる可能性も高まります。
ところが、クラブチームをサッカースクールのようなものと勘違いしてしまうと、おそらくそのギャップに戸惑うことになるでしょう。
MAGには、クラブチームでコーチに教えてもらおうという、甘い考えは捨てるように普段から言っています。そもそも、そんな受身の姿勢でプロになれるわけがありません。自ら学び、コーチやうまい選手の技を盗む位の主体性がなければ無理に決まってます。
もっとも、今所属しているチームのコーチは、それなりに指導してくれているようですが・・・ありがたいことです。
また、プロになる気がないなら、わざわざ高い会費と交通費をかけてまでジュニアユースクラブに入る必要はありません。サッカーをしたいだけなら、クラブチームでなくても、学校の部活など、もっと出費を抑えてできるところは他にもあります。
もっとも、部活でも本人の資質と情熱次第でプロになれる可能性は十分あると思います。実際、現日本代表でも中学時代は部活だった選手はいますから・・・結局は本人次第ってことなんでしょうね。
以上、ジュニアユース始動前にやるべき準備6つをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
サッカーの試合でも「準備」が大事なように、チームの活動を開始するにも「準備」が肝心です。
万全に準備して、快調なスタートダッシュを切れるといいですね。
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