コンフェデ杯は1次リーグ敗退が決定してしまいましたね。日本代表もイタリア戦では素晴らしい攻撃を見せたのですが、総合力ではあと一歩及ばなかったということでしょうか。
メキシコ戦こそはなんとか一矢報いて欲しかったんですが、残念でした。
それでも、香川真司、岡崎慎司、本田圭佑の三選手は、今大会を通じて世界的にも高い評価を受けているようです。
さて、彼らサッカーの日本代表選手は、少年時代にはどのような両親のもとで過ごし、どのような評価を受けてきたのでしょうか?
子どもの頃からサッカーの英才教育を受け、将来を嘱望されるような天才的な選手だったのでしょうか?
今回はサッカー日本代表の少年期から青年期までのエピソードを紹介した本「子どもをサッカー選手にするためにできること」を読みながら、彼らのルーツを紐解いていきたいと思います。
なお、この本は2010年5月10日に発行されたものであるため、当時の日本代表について語られています。本田圭佑、長友佑都などは紹介されていますが、香川真司、岡崎慎司などについては掲載されていません。
より最近の代表選手に関するエピソードを求めるのであれば、執筆陣が同じで2012年10月3日に発行された「サッカー日本代表の少年時代 (PHP文庫)」をおすすめします。
サッカー大好きで上手だが飛び抜けた天才とは限らない
本書には総勢12人の日本代表選手(元も含む)の少年時代のエピソードが紹介されていますが、やはり小学生の頃からみなサッカーが上手く、地元ではそれなりの評価を得ていたようです。
とは言え、そのレベルは千差万別で、中村俊輔のように他県にまでその名が轟いているような子どももいますが、ほとんどは、地元レベルでは上手いといった程度で、J下部のセレクションやトレセンにも引っかからなかったり、全国的にはまったくの無名だったケースの方が多いようです。
ある程度のサッカーの才能は感じられるが、必ずしも飛び抜けた才能を感じさせるような子どもではなかったということですね。
ただし、すべての選手に共通していることは、子どもの頃からサッカーが大好きで、親や指導者に強制されたのではなく、自分から進んでサッカーに取り組んでいたようです。
中学生時代の挫折が強靭なメンタルの土台に
本田圭佑は、ガンバ大阪ジュニアユース時代、絶対的なエースである家長昭博の影に隠れた存在であり、チームの中では際立った才能を感じさせることはなかったようです。実際に彼はガンバユースに昇格することはできませんでした。
長友佑都は、J下部のセレクションに落ち、仕方なく地元の公立中学校のサッカー部に入りましたが、サッカー部顧問の井上博先生の指導を受けるまでは、サッカーに対する情熱を失いふてくされた日々を送っていたそうです。
中村俊輔は、マリノスジュニアユースにて当初は飛び級で試合に出してもらえることもあったものの、身長が思うように伸びずフィジカル面で苦戦するようになり、最終的にはスタメンの座を外されマリノスユースへも昇格できませんでした。
中村憲剛は、体格差により思うようにプレーできなかったため、中学1年生の途中でクラブチームを辞め、「完全な燃え尽き症候群」の無所属時代を半年ほど過ごしたそうです。
もちろん、ヴェルディのジュニアユースで活躍した森本貴幸のような例外もいますが、多感な中学時代に苦い経験を味わってきた日本代表選手は意外なほど多いようです。
ひょっとすると、中学時代の挫折は反骨心を養うチャンスだったのかもしれませんね。彼らのメンタルは、このような悔しい思いをすることで、より強靭に鍛えられたのでしょう。
その後、高校時代もしくは大学時代にサッカー選手として大きく飛躍し、そのままプロの世界へ足を踏み入れるようになるわけですが、メンタル面での土台は中学生時代に培われたに違いありません。
親によるサッカーの英才教育はなかった
子どものサッカーに対する、親の関わり方はまちまちです。
川島永嗣の親のように、子どもが試合に出ていなくても毎試合応援に駆けつけるような熱心な方もいれば、母子家庭でサッカーそのものにはほとんど関わらない長友佑都の母親のような方もいます。
遠藤保仁の父親は「男の子が生まれたら、いっしょにキャッチボールをやりたい。野球を教えたい。」と考えていたそうです。
ほとんどの親はサッカー未経験なので、子どもに対して直接サッカーの英才教育を施したといったようなこともなかったようですが、本田圭佑や長谷部誠の親のように、海外のレベルの高いサッカーを子どもの頃から一緒に見たりすることはあったようです。
すくなくとも、少年サッカーにありがちな、子どもよりも親の方がサッカーに熱心で、子どもの意思よりも親の熱意でサッカーをやらされているといった状況ではなかったようですね。
親ができることは何か?
最近では小学生の男の子に将来なりたいことを聞くと、サッカー選手が上位の常連になってきていますね。
そんな子どものために、親ができるサポートは大きく4つあると考えられます。
- 経済的なサポート
- 健康面でのサポート
- 情報提供におけるサポート
- メンタル面でのサポート
この中でも特に重要なのは、実はメンタル面でのサポートではないでしょうか。
南米やアフリカ等では、サッカーは貧困から抜け出すためのハングリースポーツとしての面が多分にありますが、そのようなハングリー精神や上昇志向は、素質よりも環境によって培われるところが大きいように思われます。
日本の子どもにとっての環境とは家庭と学校が大半を占めています。したがって、親が子どものメンタルに与える影響は多大なものがあると言えるでしょう。
本書を読む限りでは、サッカーの技術的なことは言わなくても、サッカーへの取り組み姿勢に関して甘さが感じられるようなときには、厳しい言葉を投げかける親が多いように思われました。
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以上TONELIKOでした。
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